都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

芝浦の検番(芝浦協働会館)

2019-05-22 | 港区   
芝浦の検番(芝浦協働会館)
所在地:港区芝浦 1-11
建設年:1936(昭和11)
構造・階数:木・2F
Photo 1994.11.11

 旧芝浦三業地の中に位置する。検番は芸者の管理組合の建物のことだそうだ。近隣の芸者置屋に所属している芸妓さんを登録して、料理屋・待合からお呼びが掛かると派遣する、といった仲介業務をしていたという。詳しいことは「体験していない」ので残念ながらよく判らない。

 この近辺一帯は芝浦三業地だったと言われるが、今では当時の面影はほとんどない。芝浦協働会館として近年まで使用されていた検番の一棟のみが残り、隣接地に並ぶ料理屋等は解体された。検番の建物については保存運動が行われ、保存・活用されるという。


 Photo 1994.11.11

 中央の大きめの建物が検番(芝浦協働会館)、両脇は芸者置屋だったという。昔の住宅地図によれば、東隣(写真左)は協働会館宿舎第四寮、西隣は第三寮、その西隣(写真右端)が第二寮だった。また、手前の駐車場の場所には1970年代までは芝浦園という料亭があったそうだが、1980年代初めまでには無くなって駐車場になったようだ。


 Photo 2003.5.8

 1994年の時点では、検番を含めて5棟が残っていたが、現在残るのは検番の建物のみ。見番と他の建物が一緒になって、群となって街並み景観を創っていた場所は、この頃の東京には既になかっただけに貴重な景色で、それが無くなったのは残念。

旧協働会館保存・利活用のための整備計画

Tokyo Lost Architecture
#古い建物 港区  #失われた建物 港区  #商業系  #遊興施設 
ブログ内タグ一覧
2022.8.25 
コメント (1)
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各記事にタグを設置

2016-09-02 | Weblog 

 gooブログにはカテゴリー分類があって、このブログでも左欄の中ほどにCATEGORYがある。

 カテゴリーは最大100ヶ作成することができるのだが、記事はどれか一つのカテゴリーにのみ分類することができ、複数のカテゴリーに入れるわけにはいかない。

 それなりに長い間ブログをやっている場合でも、記事を明快に分類する方が良いのだろうが、往々にして複数の分類にまたがって整理したい場合が出てくる。

 記事を書く際にカテゴリーを一つに決めるために悩むのは面倒なので、カテゴリーは基本的に場所別にすることにした。当初は、階段とか古い建物とかにしていたのだが、うまく整理できなかったため、単純に場所で整理することにしたわけ。

 その代わり、キーワード検索して関連記事が出てくるように、各記事にキーワードタグを付けることにした。キーワードのタグ一覧は下記リンク先の表のとおり。

タグ一覧

 今春あたりから、今ままでの記事全てにタグを付ける作業をしてきたが、ようやくほぼ全記事にタグを付けられた。まだ一部のタグを見直していたり、タグの付け忘れを修正したりしているため、今後、まだ少し変更はあるだろうが、とりあえず公開。

 一つの記事に複数のタグを付けていることも多いので、いろいろな分類で記事を見ることができる。#鉄道で見れば、鉄道についてなにかしら触れていたり、写真に鉄道が写っている記事が出てくる。同じ記事が#橋でも検索される可能性もあり、複数の分類で表示されることになる。ただ現状では、複数のキーワードを同時に使って絞り込み検索をすることは、残念ながらできない。

 このため、 #失われた建物 港区#古い建物 港区#新しい建物 港区#階段・坂 港区#東京新旧写真比較 港区#街並み 港区、 などとやや繁雑なタグもかなりできている。

 そもそもこのタグによる整理は、gooブログの記事検索機能を利用したものなので、より複雑な検索にはgooブログの方が対応しない限り限界がある。この方法じたい裏技的な手段なので、そのあたりは御了承頂きたい。

 各記事の末尾にはその記事に関するタグが入っているので、関心のあるタグリンクをクリックして頂ければ、関連記事が次々に出てくる。 #雪のタグをクリックしたりすると、雪景色の記事ばかり出てきて、結構面白かったりするのでお暇な時にどうぞ。

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元神明宮・天祖神社

2013-04-03 | 港区   
元神明宮・天祖神社
所在地:港区三田1-4   Google Map
構造、階数:RC、5F・B1F?
建設年:1994(平成6)
Photo 2013.1.18

 江戸名所図会にも描かれている元神明宮は、20年近く前に社務所と集合住宅が一体化したRCの建物に建て替えられた。

 神社の場合、古式の雰囲気を残すようにという宗教的な方針があるようで、寺院のように激しくモダンな建物になることは意外に少ない。

 社殿はまるごとRCの覆い堂の中に納まっている。さや堂とか覆い堂は他にも例があるが、ここの場合、諸々の事情があったのか、木造の社殿はRCの天井ギリギリ一杯に納まっている。風雨にさらされて屋根が傷むことはないので、屋根に上っての修繕の必要はないが、これでは社殿の全貌がまるで見えない。なんでこうなったのだ~

 写真はRC建物の隅っこで、3枚の写真を撮ってむりやり繋げている。写真奥には社務所受付もあったりして、コンパクトと言えばコンパクトなのだが・・・。

 お社は一部に古材が使われているが、全体としては比較的新しいようだ。風雨に曝されないので、20年近く経った今でも木の香りが少ししているのはおもしろい。

Wikipedia - 元神明宮
#古い建物 港区  #新しい建物 港区  #神社 
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龍原寺

2013-04-02 | 港区   
龍原寺 本堂
所在地:港区三田1-13   Google Map
構造・階数:木造1F
建設年:1846(弘化3)
Photo 2010.6.6

 本堂がいつ頃の建物なのか、今までよく分からずにいたのだが、港区教育委員会の資料(2006年)に、江戸時代後期の建物であることが記載されているようだ。修復とかはしているのだろう。150年以上前の建物だが、比較的きれいだ。ただ文化財指定等はされていない。

いい東京・東京散歩・東京散策・東京探訪・新東京100景・東京の庭園・都選定歴史的建造物
  > 港区の歴史的建造物・三田
龍原寺 本堂 軒庇裏の装飾
Photo 2013.1.18

 さて、本堂入口部分にある唐破風庇の天井に、漆喰で描かれたと思われるレリーフ装飾があるのだが、これがなんだか気になる。

 お寺が龍原寺という名であるためもあってか、龍が描かれているのだが、これが妙に立体的で、足や爪先が空中に飛び出しているのだ。立体的な漆喰彫刻はときどきあるが、爪先がぐいっと出ているのはちょっと珍しい。その一方で胴体の方は墨絵のようでもあり意外に平板。なんとも不思議な装飾だ。

 漆喰細工としては「伊豆の長八」の作と伝えられるものが都内でもいくつかあるが、ここの龍にはそういう情報は特にない。落款のようなものもあるが、誰か有名な人の絵なのだろうか? そのうちお寺の方に尋ねようと思っているのだが、私が訪問する時はなぜか不在が多く、知らないままになっている。

龍原寺境内から通り沿いのマンション
Photo 2013.1.18

 三井倶楽部やオーストラリア大使館がある一帯は古川の南側の高台になっている。三井倶楽部の前を東西に走る道は、東側が「綱の手引き坂」、西側は「日向坂」。南側へ下るのが「綱坂」で、北へ下るのは「神明坂」。尾根筋の北側にある龍原寺は、スロープ付きの段々を北向きに下って境内に入る空間構造になっている。

 上の写真は、門を入って段々を下りて、境内側から道路沿いのマンションの下部を見たもの。古い石垣の擁壁の上にギリギリいっぱいで6F建ての建物が載っかっているのはちょっとすごい。基礎は大丈夫なんだろうか?

#古い建物 港区  #寺院 
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慶応大学 図書館旧館

2013-04-01 | 港区   
慶応義塾大学 図書館旧館 玄関内部
所在地:港区三田2-15   Google Map
構造 :煉瓦・石造
階数 :3F・B3F、塔の部分は4F、書庫は6F
建設年:1912(大正元)
設計 :曽禰中條建築事務所
備考 :国重要文化財
Photo 2013.1.18

 震災と戦災で被災したというが、戦後、復旧されて現在に至る。赤絨毯が敷かれた玄関室も良い感じ。キャンパスが開いている時なら、階段室の手前までなら入って見ることができる。

階段室のステンドグラス
Photo 2013.1.18

 階段室にある「ペンは剣よりも強し」を表すステンドグラス。馬を下りた武将が下方に描かれ、ペンを手にした自由の女神を見上げているようなのが印象的。女神には後光も射している。ただ見ようによっては、西洋文明が進んでいて、日本文化が劣ってるという感じに見えなくもないし、西欧文明的な聖人と野蛮な日本武士という構図にも見えてしまう。実際、当時の感覚としてはそれに近いものだったのかもしれないが、現代の立場からするとやや釈然としなくなる。ただ、内容はともかく、大きなステンドグラスは精緻で鮮やかで美しい。

慶應義塾HP > 慶應義塾図書館  図書館のスティンドグラス
#古い建物 港区  #大学  #近代建築  #曽禰中條  #重要文化財 
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慶応大学 第1校舎

2013-03-31 | 港区   
慶応大学 第1校舎(旧慶応義塾大学学部校舎)
所在地:港区三田2-15   Google Map
構造・階数:RC・3F
建設年:1937(昭和12)
設計 :曽禰中條建築事務所
Photo 2013.1.18

 戦前に建てられた校舎の正面玄関を入ったところの階段室。最近の校舎は明るくてきれいなのが多いが、昔のくすんだ感じの建物も、それはそれで大学らしく感じることがある。こういう校舎を知らない学生も増えてはいるのだろうが。

慶応大学 第1校舎 1F
Photo 2013.1.18

 階段室そばのトイレ。

 縦長の磨りガラスが3枚あるが、真ん中は嵌め殺し。その左右が扉なのだが、左は押してトイレに入るもので、右は引いて入るもの。というか右は押して出るもの。トイレに出入りする際、左側の扉を押せばよいわけで、人がかち合わないように考えられている。ただ、こういう扉はあまり見たことがない。

#古い建物 港区  #大学  #曽禰中條 
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安全寺坂上にて

2013-03-29 | 港区   
安全寺坂上にて
所在地:港区三田4丁目   Google Map
Photo 2013.1.18

 都心の一角にエアポケット状に残された風景。

 住宅内部の環境は知らない。耐震とか耐火面でも危ういだろうということは分かる。

 でもつい、絵柄としては良いなぁと思ってしまう。

 残って欲しいと思うのは、この風景が都心ではもはや希少になりつつあるからか。コンクリートや鉄骨のビルばかりになってしまった街なかに、大きな木と木造一戸建てが残っているのを見て、天の邪鬼的な発想で、少数派に頑張って欲しくなってしまうからか。

安全寺坂に至る道
Photo 2013.1.18

 人によっては、お、ここは開発の余地アリ、と考えたりするのかもしれない。老朽化したビルを建て替えたり、上のような木造家屋を建て替えるのは仕方ないが、もう少し公共的な空間を広く取れないものかと私などは思う。

 総合設計や地区計画で大きなビルを建てれば、公開空地ができるという人もいるが、これは容積率の緩和が前提なので、当然、そこで働いたり住んだりする人も増えているわけで、恐らく一人あたりの広場面積は却って狭くなるのではないだろうか。そう考えると、開発をすればするほど、人は増えて狭苦しくなる。

 少し前に大学の高層化は不可避という話をしているので、矛盾しまくりなわけだが、本当の気持ちとしては東京はもう開発して欲しくない。開発して欲しいところは他にもあるだろうから、これ以上高密度にするのはやめて、他の都市を開発する方が良いのではないかな。

 東日本大震災の際に帰宅難民が多数出て、当時はその受け皿が必要だなどと言われていたが、最近はやはり景気の話が中心で、敷地を見るとビルを建てる話が出てくる。プチバブルの再来を期待しているのか、広場とか空地の確保の話は下火なような気がする。

 なんとなくつまんない時代にまたなってきたな~。

#古い建物 港区  #階段・坂 港区 
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クウェート大使館

2013-03-28 | 港区   
クウェート大使館
所在地:港区三田4-13   Google Map
建設年:1970(昭和45)年
構造 :SRC
階数 :7F・B2F
設計 :丹下健三
Photo 2013.1.18

 メタボリズム的発想・・・だったのかな。ただ、新陳代謝とか増殖のイメージの単なる実体化とはちょっと違って、アンバランスさが印象的な積み木のようで、抽象立体幾何学的な造形がおもしろく、そこに空中庭園も付加されてる感じ。

 昔は特になんとも思わなかったのだが、今になってみると、意外に魅力的に見える。

 この建物、あちこちにテラスなどもあって結構ゆったりとした造りだ。似たような雰囲気を持つものとして、神宮前のGYREなども思い浮かぶが、こちらの方が遙かに昔の建物で、また軽快。

 最近の建物は許容容積一杯に建てて、斜線他の法律に縛られて、ということで、超合法建築などという言い方もあるくらい、法律や条例で形が決まってきているところがある。

 こういう建物を見ると、昔の方が自由だったのかなぁ、最近は自由度が減っちゃってるのかなと思う。容積ボーナスを貰ってギリギリ一杯建ててるオフィスビルなどを見るにつけ、建物の姿形としての選択肢は減ってしまっているのだろうかとか、よほどの条件が揃わないとボリューム造形的なチャレンジはしにくい時代なのかもしれないな、などと考えてしまう。

 またそれとは別に、モダニズム、後期モダニズム、ポストモダンなどという流れを経て、近年のIT系全盛の時代、ハードなフォルムの追求などというのは、古典的な感じに思われてるのかなとも、ちらっと思った。そうは言っても、最近はコンピューターを駆使してとんでもないフォルムや空間を持った建物も出てきてるから、建築デザインが溶けちゃってるとか、不可視化してるというのとはまた違うのだろうな。

 ところで、この方向からだと電柱がじゃまだ。これがなければもっとよく見えるのに。

#古い建物 港区  #官公庁  #オフィス  #丹下健三  #メタボリズム 
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東京ミッドタウンそば

2011-07-03 | 港区   
東京ミッドタウンそばの木造家屋
所在地:港区六本木4-5
Photo 2011.6.13

 六本木交差点にもほど近い場所に、下見板張りの木造家屋が石垣の上に建っている。下から見上げたら、奥の方にミッドタウンの超高層ビルが霞んで見えた。東京には相変わらず奇妙な景色がある。

#古い建物 港区  #街並み 港区  #高層ビル
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国立公衆衛生院

2011-02-24 | 港区   
旧国立公衆衛生院(旧国立保健医療科学院白金庁舎)
所在地:港区白金台4-6-1
建設年:1938(昭和13)
構造・階数:SRC・5F(一部8F)
備考 :2004年 利用停止、閉鎖されて空き家となる。
Photo 1988.5.28

 隣接して建つ東京大学医科学研究所と共に、内田祥三の設計による堂々とした研究機関建物。同一設計者による、東京大学本郷キャンパスの建物ともデザインがかなり似ている。シンメトリーで、巨大な翼部を持つことで、国の機関としての重厚さをよく示していた。


 Photo 1997.7.19

 少し近づいてみると、中央の塔屋がそびえ立つように見え、翼部に囲まれるようになり威圧感がある。東大の本郷、駒場の建物に似たデザインではあるが、一つの建物としてはこちらの方が規模が大きく、高さも高いのではないだろうか。

2007.2.26

 2010年末に、隣接の東京大学医科学研究所の方に尋ねたところ、既に港区の所有管理下に置かれているとのこと。建物を残しながら別の用途に用いることが検討されているそうだ。港区の関係者も時々視察等で訪れているというが、改装等にお金がかかることもあり、現時点では利用再開の予定日は不明らしい。ともあれ、建物が存続することになったようなのでひとまず安堵した。整備が済んで再オープンしたら、近くまで行ってよく見てみようと思う。

Wikipedia > 国立公衆衛生院

#古い建物 港区  #近代建築  #研究所 
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